2025年12月26日

正月明けに「歯が痛い人」が急増する本当の理由を歯科医師が解説
毎年、正月休みが明けた直後、歯科医院には共通した相談が一気に増えます。
それは、「正月明けから急に歯が痛くなった」「休み中は大丈夫だったのに、噛むとズキッとする」「歯ぐきが腫れてきた」といった症状です。
患者さんの多くは「たまたまですか?」「正月と関係ありますか?」
と質問されますが、歯科医師の立場からお伝えすると、正月と歯の痛みは非常に深い関係があります。
実は、お正月特有の生活習慣が重なることで、それまで表に出ていなかった歯や歯ぐきの問題が、一気に症状として現れるのです。
今回は、なぜ正月明けに歯が痛くなる人が急増するのか、歯科医師の視点から、できるだけわかりやすく解説していきます。
正月明けに「歯が痛い人」が急増する理由
糖分
お正月は、おせち料理やお餅、和菓子・洋菓子、みかんや果物、甘い飲み物やお酒など、普段より糖分を含む飲食物を口にする機会が一気に増えます。一見「少しずつだから大丈夫」と思われがちですが、歯にとって重要なのは糖分の量よりも摂取回数です。食事や間食のたびに口の中は酸性に傾き、歯の表面からミネラルが溶け出す脱灰が起こります。正月期間は食べる回数が増え、この回復が追いつかなくなることで、むし歯が進行しやすくなります。
汚れの付着時間
正月は、朝食後に間食、昼食後にもお菓子、夕食後もテレビを見ながらつまむなど、ダラダラ食べになりやすい時期です。時間を決めずに少しずつ食べ続けることで、歯の表面に汚れが長時間付着し、口の中が一日中むし歯になりやすい状態になります。量が少なくても、長時間口に入っていること自体が大きなリスクとなり、休み明けに痛みを感じるケースが多く見られます。
細菌
年末年始は夜更かしや外出、帰省、飲酒の機会が増え、歯みがきが雑になったり回数が減ったりしがちです。特に就寝前の歯みがきが不十分になると、寝ている間に唾液の分泌量が減り、むし歯菌や歯周病菌が最も活発に働きます。その状態で汚れが残ることで、短期間でもむし歯や歯ぐきの炎症が一気に進行します。
歯質
正月明けに多い歯のトラブルには、お餅や硬いおせち料理による物理的な負担も関係しています。お餅は粘着力が強く、詰め物や被せ物に大きな力がかかりやすくなります。特に、過去に治療歴がある歯や神経を取っている歯、歯ぎしりや食いしばりがある方は、正月の食生活がきっかけで歯が欠けたり、噛むと痛みが出たりしやすくなります。
正月明けに歯が痛いとき、やってはいけないこと
- 痛い部分で無理に噛む
- 市販の鎮痛薬だけで様子を見る
- 舌や指で触って確認する
- 放置して自然に治るのを期待する
新年こそ、お口のチェックがおすすめです
正月明けは、- むし歯
- 歯周病
- 詰め物・被せ物の不具合
- しみる
- 噛みにくい
- 違和感がある
