歯が欠けた・割れた|夙川の歯医者|夙川いしみね歯科・小児歯科・矯正歯科|夙川グリーンプレイス内
歯が欠けた・割れた
「突然、歯が欠けてしまった」「硬いものを噛んだ瞬間、歯が割れた」——このような経験をしたことはありませんか?歯の破折や欠けは決してめずらしいことではなく、外的な衝撃から日常的な噛み合わせの不調まで、多様な原因によって引き起こされます。
小さなヒビや欠けであっても、そのまま放置していると、知らないうちに症状が進行し、歯の神経が炎症を起こしたり、歯の内部に細菌が入り込んだりして感染を引き起こす可能性があります。また、欠けた歯の縁が鋭くなることで、舌や頬の内側を傷つけ、口内炎の原因になることもあります。こうしたリスクを避けるためにも、早期の診察と的確な処置が、歯の健康と快適な生活を維持するうえでとても重要です。
ここでは、歯が欠けたり割れたりする原因や症状、検査・診断、考えられる疾患、治療法、そして予防・対策についてご紹介します。
歯が欠けた・割れたときに考えられる原因
歯が欠けたり割れたりする原因には、主に以下のようなことが挙げられます。
外傷・転倒・事故
顔や口周りを強く打った際に、歯が折れる、割れることがあります。
硬い食べ物の咀嚼
氷、ナッツ、骨付き肉、飴などを噛んだときに力が加わりすぎて欠けるケースがあります。
虫歯
虫歯によって歯質が弱くなっていると、少しの衝撃で割れることがあります。
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)
寝ている間や無意識のうちに過剰な力が歯に加わり、歯が徐々に疲労して亀裂や破折が生じることがあります。
詰め物・被せ物の劣化・不適合
古くなった補綴物の周囲に隙間ができ、そこから虫歯が再発したり、歯が割れたりすることがあります。
歯が欠けた・割れたときの主な症状
歯の欠けや割れたときの症状は、欠け方や割れ方の程度、場所によって異なります。
小さな欠けやヒビの場合は、自覚症状がないこともありますが、冷たいものがしみたり、舌がひっかかる感覚があることがあります。
歯の神経に近い部分まで破折している場合は、強い痛みや違和感があったり、噛んだときに圧痛が生じることもあります。また、歯に縦に亀裂が入っていると、見た目は変わらなくても痛みの原因になり、症状が徐々に悪化することがあります。
こんな症状ありませんか?
- 食事中に「ガリッ」と音がして歯の一部が欠けた
- 冷たいものや甘いものがしみるようになった
- 歯に鋭い部分ができ、舌や唇にひっかかる
- 噛むと痛む、あるいは違和感がある
- 鏡で見ると歯にヒビが入っているように見える
- 被せ物が外れたり、グラついたりしている
歯が欠けた・割れたときの検査・診断
歯が欠けたり割れたりした場合、以下のような検査・診断が行われます。
視診・触診
歯の欠け方やヒビの有無、歯の動揺度、歯茎の状態などを確認します。
染色検査
ヒビや破折が肉眼でわかりにくい場合、染色液を使って亀裂の確認をします。
パーカッションテスト
軽く歯をたたいて痛みの程度を確認し、歯根や歯髄の炎症の有無を判断します。
X線検査(レントゲン)
歯根や歯の内部に亀裂がないか、虫歯や感染の進行具合を確認します。
マイクロスコープ診査
必要に応じて歯科用顕微鏡を使用し、肉眼では見えない微細な亀裂まで精密に観察します。
※症状の程度によっては、経過観察や適切な処置で進行を抑えることがあります。
歯が欠けた・割れたときに疑われる病気
歯が欠けた・割れたときに考えられる代表的な疾患には以下のようなものがあります。
歯冠破折
歯の頭部分(歯冠)だけが割れた状態。軽度であれば補修可能です。
歯根破折
歯の根の部分まで亀裂が入っている状態。保存が難しく、抜歯になることもあります。
虫歯(う蝕)
虫歯で歯質がもろくなり、咀嚼などの力で欠けることがあります。
クラックトゥース症候群
歯に目に見えない亀裂が入り、痛みや不快感が生じる状態です。咬合力が強い奥歯によく見られます。
歯が欠けた・割れたときの治療方法
囲組織の状態を踏まえて選択されます。そのため、同じように見える症例でも、保存可能か、補修で済むか、あるいは抜歯を伴うかといった判断は個別に行われます。
コンポジットレジン修復
小さな欠けや浅い亀裂には、歯に似た色調の白い樹脂(レジン)を直接詰めて補修する方法です。1回の来院で処置が完了することが多く、歯を削る量も最小限に抑えられます。見た目も自然で、審美性と機能性を兼ね備えた修復が可能です。
クラウン(被せ物)治療
大きく歯が欠けた場合や、コンポジットレジンでは十分な強度や耐久性が得られないケースでは、クラウンによる修復が行われます。クラウンは歯の全体を覆う補綴物で、金属、セラミック、ジルコニアなどさまざまな素材が選べ、咬む力に耐えられるよう補強する役割を果たします。審美性や耐久性を重視する場合は、天然歯に近い見た目のセラミッククラウンが適しています。
根管治療(歯内療法)
歯の破折が神経(歯髄)に達していたり、内部で細菌感染が生じている場合には、歯髄を取り除いたうえで根管内を丁寧に清掃・消毒し、薬剤を充填する処置が必要となります。根管治療により歯の内部の感染源を除去し、歯を抜かずに保存することが可能となります。治療には複数回の通院が必要な場合もありますが、歯を残すための大切な治療です。
抜歯・インプラント・ブリッジ
歯根まで破折が及び、歯の保存が不可能と判断される場合には、抜歯が必要になります。その後の補綴治療としては、機能と見た目を回復するために、インプラント治療やブリッジなどを検討します。インプラントは周囲の歯を削らずに済む点が利点で、長期的な安定性が期待されます。一方、ブリッジは比較的短期間で治療が完了するケースもあり、患者さんの口腔内の状況やご希望に応じて最適な方法を提案します。
歯が欠けたり割れたりするトラブルは、放置しておくとさらに深刻な問題に発展する可能性があります。見た目が変わらなくても、内部に大きなダメージを抱えている場合もあるため、早めの診察が大切です。
日常生活の中での予防策としては、硬いものを噛むときには注意する、歯ぎしりがある人はマウスピースを活用する、定期的に歯科検診を受けて歯の健康状態をチェックすることが挙げられます。
万が一、歯が欠けた・割れたと感じたら、無理に触らず速やかに受診してください。当院では、状態に応じた最適な治療と、再発を防ぐためのアドバイスを丁寧に行っております。