子どものむし歯が心配
子どものむし歯が心配

「毎日歯みがきはしているのにむし歯になるのはなぜ?」「お菓子の後のケアがきちんとできているか心配」「乳歯のむし歯が永久歯に影響したらどうしよう…」
お子さまの歯にまつわる不安や心配ごとは、保護者の多くが感じるものです。特にむし歯は、小さな子どもほど進行が早く、自覚症状も乏しいため、知らないうちに悪化していることも少なくありません。
ここでは、「子どものむし歯が心配」という保護者の方の声に寄り添いながら、むし歯の原因や症状、検査・治療法について、わかりやすく解説します。
むし歯は、ミュータンス菌などのむし歯の原因菌が、口の中に残った糖分を栄養源として酸を作り出し、その酸が歯の表面を少しずつ溶かしていくことで進行します。
大人の歯に比べて、子どもの歯(乳歯や生えたての永久歯)はエナメル質が薄くてやわらかく、酸によるダメージを受けやすい構造をしています。そのため、むし歯になると短期間で深部にまで進行しやすいという特徴があります。
これらの条件が重なることで、むし歯のリスクは高まっていきます。
子どものむし歯は初期にはほとんど症状がありません。そのため「痛がっていないから大丈夫」と思っているうちに、実はむし歯が進行しているケースがよく見られます。
症状が進行すると、歯の表面が白く濁るなど初期むし歯のサインが現れ、やがて茶色や黒っぽい着色が目立つようになります。冷たいものや甘いものにしみるようになったり、食事中に痛みを訴えたりすることもあります。さらに進行すると、歯に穴があいたり、大きく欠けたりするようになり、特定の場所でしか噛まなくなることがあります。また、むし歯の進行に伴って口臭が気になるようになることもあります。
こうしたサインが見られた場合には、むし歯がすでに進行している可能性もあるため、できるだけ早めに歯科で専門的な診察を受けることをおすすめします。
子どものむし歯の検査では、視診や問診を通して保護者の方からの情報を聞き取りながら、お口の中を目で確認します。必要に応じて、探針という器具で歯の表面を軽く触れ、やわらかくなっている箇所がないかをチェックします。また、レントゲン撮影によって歯の間や奥に隠れたむし歯の有無を確認し、染め出し液を使って磨き残しやプラークの状態を可視化することもあります。こうした検査を組み合わせることで、むし歯の進行度や治療の必要性を判断していきます。
症状の程度によっては、定期的な経過観察やフッ素塗布で進行を抑えることもあります。
子どものむし歯が進行すると、単に歯が溶けるだけでなく、さまざまな関連疾患を引き起こすことがあります。
まず、むし歯は「う蝕(むし歯)」として歯の表面から始まり、やがて内部の象牙質、さらには歯の神経にまで進行します。神経まで達したむし歯は「急性歯髄炎」となり、ズキズキとした強い痛みや夜間の痛みを引き起こします。
さらに進行すると、神経が壊死し、細菌が根の先まで侵入することで「根尖性歯周炎」という状態になることがあります。これは歯の根の先に膿がたまり、歯茎の腫れや強い痛み、違和感を伴うものです。
また、むし歯によって歯の形が変わったり噛み合わせが乱れたりすると、「咬合性外傷」といって、一部の歯に過剰な力がかかり、歯周組織に負担がかかることもあります。
これらはすべて、むし歯を放置したことによって生じる二次的な問題です。むし歯の進行を防ぐことが、こうした疾患の予防にもつながります。
子どものむし歯治療では、むし歯の進行状況や歯の部位だけでなく、お子さまの年齢や性格、治療への慣れ具合なども考慮しながら、適切な方法を選択していきます。
子どものむし歯治療では「痛みをできるだけ感じさせない」「将来の歯並びに影響を与えない」ことを大切に、慎重に治療が進められます。
子どものむし歯は、「見つけたときにはもう進行していた」というケースが多いため、何よりも“早期発見・予防”が鍵になります。「ちょっと気になる」「念のため見てもらおうかな」と思ったタイミングで歯科を受診しておくと、大がかりな治療を避けることができ、お子さまの負担も少なくて済みます。
また、ご家庭でできるむし歯予防としては、以下のようなことがポイントになります。
歯医者さんは「痛くなったから行く場所」ではなく、「痛くならないために定期的に通う場所」です。お子さまの健やかな口腔環境を守るためにも、どうぞご家族皆様でお気軽にお越しください。
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